食べて痩せるダイエット
誤解や錯覚が多い太る原因

あなたは、「なぜ太るのか」について、真剣に考えたことがありますか?

あなたが太ると考えている原因をあげてみましょう。

  • ケーキやスナック菓子が大好き
  • ハンバーガーやコンビニのお弁当をよく食べる
  • ジュース類が手放せない
  • 水を飲みすぎる
  • ストレスがある
  • 寝不足で朝、食欲がない
  • 脂っこい料理が好きだ
  • 夜、寝る前に食べる
  • 夜更かしして、朝寝坊
  • 毎日、2食は外食する
  • 味の濃い料理が好きだ
  • 運動は全くしない
  • 深酒をする
  • パーティの料理が好きだ
  • 食品添加物など気にしていない
  • グルメで食べ歩きが好き
太る原因には、このほかに体のメカニズムの異常を加えなければ、正解ではありません。

体のメカニズムとは、一言でいうと、体の新陳代謝のことです。新陳代謝が正常に働かなくなっているから太るのです。まず、そのことを頭に入れておきましょう。

そして、「どうして、新陳代謝が正常に働かなくなるのか?」と疑問をもち、体のメカニズムに考えてみます。

このことに気づかないでダイエットをはじめる人が意外に多いのです。実は、そこにダイエットの落とし穴があります。

何事もスタートが肝心です。太る原因と太るメカニズムをきちんと理解してからダイエットを始めると、成功率はグンと高くなります。

太るメカニズムを考えるとき、あなたは、太るのは食べ過ぎるからと考えていますか?

いわゆる過食ですが、その考えは錯覚です。

食べすぎによる肥満はありません。

むしろ、食べない(小食)の人のほうが太るのです。

ヤセの大食いを目指そう

たとえば、ご飯(白米)をたくさん食べる人と食べない人とでは、体の代謝機能がどう違うかを比較してみます。

ご飯をたくさん食べると、エネルギーが十分に補われます。すると胃や腸などの消化器官が活発に働いて、新陳代謝がさかんに行われる体になります。

その結果、やせるのです。

そのメカニズムは難しくありません。

つまり、代謝機能がよい人は、たくさん食べても消化吸収がよく、排泄機能も働くので、太らないのです。

こういう体のメカニズムを知らない昔の人は、ご飯をたくさん食べる人のことを「やせの大食い」といいました。

やせの大食いは、ダイエット理論にかなった、適切な表現だったのです。

ご飯を少ししか食べない人の体

太るのを恐れて、ご飯を少ししか食べない小食の人の内臓器官は、エネルギーが十分に入ってこないので、少ないエネルギーで新陳代謝を行わなくてはなりません。つまり、代謝機能が衰えた体になってしまいます。

その結果、体はエネルギー補給がストップしても生きていくために、エネルギーを皮下脂肪としてできるだけ多く蓄えておこうとします。

こうした体の働きは、すべて脳の自律神経によって行われます。脳の指令によって、食べたものがすぐに反応し、体は正直に結果を出すものであるということをしっかり頭に入れておきましょう。

代謝機能のタイプ

太っている人と、ご飯をしっかり食べて痩せている人を「やかんタイプ」、「魔法びんタイプ」に分けて比較してみます。

やかんタイプ
痩せた人はやかんと一緒で、沸いたお湯の熱が外へ逃げやすい体です。つまり代謝がよい人です。摂取したエネルギーはどんどん消費されるので、皮下脂肪としてたまる必要がヒマがありません。いいかえれば、ためる必要がないわけです。したがって、太らないのです。
魔法びんタイプ
太っている人は、魔法びんのように空気断熱層で体全体を包んでりうようなもの。つまり、熱が逃げないのです。エネルギーを使わない体なので、摂取エネルギーが消費されず、あまってしまいます。あまった分は全て皮下脂肪のほうにまわるというメカニズムです。少ししか食べないから代謝がどんどん悪くなり、皮下脂肪だけが遠慮なくたまってくるので、太る一方というわけです。

代謝機能とは?

代謝機能とは、体に入ってきた食べ物を加工してエネルギー源をつくったり、血液や骨、肉などの体の部品を取り替えたり、古くなって使えなくなったカス(便や尿、汗、皮膚など)を体外に排泄するなどの、いわゆる体内工場の働きぐあい全般をいいます。

この工場の機械(内臓器官)がうまく働かなくなると、便秘や貧血、低血圧になってしまいます。

体内工場の機能をいつもよく可動させるためには、代謝を悪くするような食品を食べないようにすることが大切ですが、逆に考えれば、代謝をよくする食品なら、お腹いっぱい食べても差し支えないといえます。そして、工場の機能がよくなる食品なら、代謝がよくなるので結果的に太らないということです。

太る太らないはどこで決まる

同じものを同じように食べても、太る人もいれば、太らない人もいるのはなぜでしょう?

答えは、消化や吸収する能力には個人差があるからです。

その個人差が生じるのは、体内の新陳代謝の働きの差によります。

代謝のよい人は、胃腸などの消化器官もよく働くので、たくさん食べても太りません。代謝の悪い人は、内臓などを使う度合いも低くなり、消化吸収能力もよくありません。その差が、太るか太らないかの違いとなってあらわれるのです。

友人と同じものを食べても自分だけ太るいう人は、代謝機能を工場させる食事に切り替えることで、体内の働きが活発になり、エネルギーを無駄なく使う体になります。

体脂肪とは

脂肪と聞いただけで、太ると反射的に考えてしまう人が多いのではないでしょうか。

脂肪は、タンパク質、炭水化物とともに三大栄養素の一つですが、肥満と結びついて嫌われものになっているようです。しかし、安易に嫌うものではありません。脂肪と一口にいっても、いろいろな脂肪があり、それぞれ大切な役割があります。

皮下脂肪
皮膚の下について、体脂肪を蓄えます。
内臓脂肪
心臓のまわりや腸間膜にまつわりついて、腹腔内の脂肪量を増やします。
血中脂肪
血液の中に溶けている脂肪のことで、この脂肪が異常に増えた状態が高脂血症です。血中脂肪は血管を流れながら、いろいろ悪さをします。その結果が動脈硬化や糖尿病、高血圧症です。血中脂肪には、中性脂肪とコレステロールとがあります。
皮下脂肪、内臓脂肪、血中脂肪の3つを合わせて体脂肪と呼びます。

体脂肪のうち、とくに皮下脂肪は、いざというとき、すぐに使える備蓄用エネルギー源の役割を果たします。また、皮下脂肪を味方にすれば、若々しく、しかも美しく健康になることができます。ただし、問題はその備蓄の方法と量にあります。

体脂肪を取りけれるには、二つのルートがあります。

1、膵臓の外分泌のリパーゼで、食べ物から取り入れた脂肪を脂肪酸とグリセイリンに分解して、小腸から取り入れて再び脂肪に合成します。

2、膵臓の内分泌のインスリンで、余分な糖質を脂肪に変えて蓄えます。

このうち、備蓄用として理想的なのは2のほうです。脂肪を蓄える適切な場所は、皮下脂肪です。皮下脂肪は適量をためて、均等に使えば、若々しく美しく健康を保つことができるのです。

体脂肪を味方につけるためには、たとえば、ご飯をしっかり食べるなど毎日の食事のとり方が大事になってきます。

皮下脂肪のことをぜい肉などといいます。ぜい肉がつかないようにといって食事を極端に減らす、その結果、拒食症になる人がいますが、とんでもない間違いです。皮下脂肪が減っている人の体はどうなってしまうのでしょうか。

細胞の一つひとつが小さくなって縮み、ひからびてしまいます。人間の肝臓は健康な人の場合、約1.5kgあります。しかし、拒食症の人は400〜500gしかありません。もちろん、胃や肝臓、腎臓、子宮なども縮んでしまいます。そうなると、臓器は本来の十分な働きができなくなってしまいます。

とくに女性は、子宮が小さくなると、不妊・流産になる可能性が非常に高くなります。虚飾のために、各臓器はためてあったエネルギーをご飯にかわるエネルギー源として生命維持のためにどんどん使ってしまうのです。つまり、生命維持のために臓器が犠牲となってしまうということです。

体内にためたエネルギーがどんどん減っていくと、内臓はペチャンコになっていきます。肌がカサカサの人は内臓もカサカサなのです。胸やお尻がペチャンコの人は、内臓も不健康な証拠と考えてよいでしょう。

そういう困った胸やお尻も、きちんとした食事を続けることで元気に回復してきます。内臓が元気になると、出るべきところはちゃんと出て、ウエストや背中、お腹にはぜい肉はつきません。

逆に、皮下脂肪がつきすぎている人は、内臓にも脂肪がこびりついているのに、必要な組織は貧弱というケースが多いのです。

とくに、内臓の働きが弱い人は、エネルギーを使う力も弱いわけですから、必要な組織をつくれないのです。いたずらにエネルギーをあまらせてしまう結果、エネルギーは皮下脂肪となって体内に蓄積されてしまい、太るという悪循環を繰り返すことになります。

減食すれば痩せられるのか

余分に溜まった体脂肪を減らすために、食事はどのように摂ればよいのかを考えてみましょう。

『それは簡単。減食すればよいのでしょう』と考える人が大半だと思います。

けれども、それは大いなる勘違いです。錯覚です。

かつては、そのように力説した専門家もいましたが、その考えは「皮下脂肪としてためたエネルギーを減らせば痩せる」という理論と同じで間違いです。

食事を減らせば、かわりに皮下脂肪がエネルギーを補ってくれるから、皮下脂肪が代替エネルギーになると、簡単に考えている人がいます。

そういう人は、「皮下脂肪がメラメラ燃える。だから脂肪がドンドン減っていくので、痩せていく」と思っているようです。

人間が生きていくためには、以下のことを理解しなければなりません。

  1. 食事から多くのエネルギーを取り入れている。
  2. 朝食を抜くなど不規則な食生活が健康に悪い。
  3. 食べなければ体力がなくなる。
しかし、減食すれば、痩せられると考える人々は、この常識を無視する食生活を続けています。とんでもない間違い、錯覚です。人間の体はそんなに単純には作られてはいないのです。

減食すれば皮下脂肪が自然に消えて痩せられると考えて間違ったダイエットを実行していると、カエルが立ったような、お腹が引っ込まない姿になってしまいます。

頬や胸がガリガリでは、ダイエットの目的である美しく痩せることには遠くおよびません。こうした状態は、とくに間違った方法で減食した人に多くあらわれるのですが、これは理由がハッキリしています。

体がブドウ糖を確保するために、皮下脂肪だけでなく、体を構成しているタンパク質の組織をエネルギー源に使ってしまったからです。別の言い方をすると、皮下脂肪の代わりに筋肉を食べて生命を維持していたわけです。

不足したエネルギーを補うために、皮下脂肪を使うように命令を出す脳と自律神経には、エネルギー源としてブドウ糖(炭水化物:ごはん)が必要なのです。

ブドウ糖は三大栄養素の炭水化物からも、タンパク質からもつくられますが、脂肪からは少ししかつくれないのです。一番効率よく作られるのが炭水化物なのです。

つまり、エネルギーが不足した場合、皮下脂肪で補えるのはその中の一部だけなのです。そこで皮下脂肪以外に、たまっている体のタンパク質からエネルギーを使うことになり、そのために筋肉がガリガリになって、やつれてしまうという結果になるのです。

今すぐ落とさなくてはいけない肉、落としてはいけない肉があります。太っているからといって、肉はすべて落とさなくてはいけないものと思いながらダイエットしていませんか?

落とさなくてはいけない肉とは、内臓の周囲にある脂肪です。なにがなんでも落としましょう。これは内臓の働きを鈍らせます。体内の働きをよくして、エネルギーを活発に消費する体質にするうえで、とても邪魔になるからです。しかも、この部分は年を重ねるごとに落ちにくくなるので、今すぐ落とす努力をしましょう。

落としてはいけない肉とは、私たちの体の中のさまざまな組織です。心臓、肝臓、脾臓、腎臓、肺、胃、大腸などの内臓や、体のタンパク組織、血液の量などは絶対に減らしてはいけません。代謝機能が衰えてしまい、健康を害して美肌をつくれなくなります。




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