余分に溜まった体脂肪を減らすために、食事はどのように摂ればよいのかを考えてみましょう。
『それは簡単。減食すればよいのでしょう』と考える人が大半だと思います。
けれども、それは大いなる勘違いです。錯覚です。
かつては、そのように力説した専門家もいましたが、その考えは「皮下脂肪としてためたエネルギーを減らせば痩せる」という理論と同じで間違いです。
食事を減らせば、かわりに皮下脂肪がエネルギーを補ってくれるから、皮下脂肪が代替エネルギーになると、簡単に考えている人がいます。
そういう人は、「皮下脂肪がメラメラ燃える。だから脂肪がドンドン減っていくので、痩せていく」と思っているようです。
人間が生きていくためには、以下のことを理解しなければなりません。
- 食事から多くのエネルギーを取り入れている。
- 朝食を抜くなど不規則な食生活が健康に悪い。
- 食べなければ体力がなくなる。
しかし、減食すれば、痩せられると考える人々は、この常識を無視する食生活を続けています。とんでもない間違い、錯覚です。人間の体はそんなに単純には作られてはいないのです。
減食すれば皮下脂肪が自然に消えて痩せられると考えて間違ったダイエットを実行していると、カエルが立ったような、お腹が引っ込まない姿になってしまいます。
頬や胸がガリガリでは、ダイエットの目的である美しく痩せることには遠くおよびません。こうした状態は、とくに間違った方法で減食した人に多くあらわれるのですが、これは理由がハッキリしています。
体がブドウ糖を確保するために、皮下脂肪だけでなく、体を構成しているタンパク質の組織をエネルギー源に使ってしまったからです。別の言い方をすると、皮下脂肪の代わりに筋肉を食べて生命を維持していたわけです。
不足したエネルギーを補うために、皮下脂肪を使うように命令を出す脳と自律神経には、エネルギー源としてブドウ糖(炭水化物:ごはん)が必要なのです。
ブドウ糖は三大栄養素の炭水化物からも、タンパク質からもつくられますが、脂肪からは少ししかつくれないのです。一番効率よく作られるのが炭水化物なのです。
つまり、エネルギーが不足した場合、皮下脂肪で補えるのはその中の一部だけなのです。そこで皮下脂肪以外に、たまっている体のタンパク質からエネルギーを使うことになり、そのために筋肉がガリガリになって、やつれてしまうという結果になるのです。
今すぐ落とさなくてはいけない肉、落としてはいけない肉があります。太っているからといって、肉はすべて落とさなくてはいけないものと思いながらダイエットしていませんか?
落とさなくてはいけない肉とは、内臓の周囲にある脂肪です。なにがなんでも落としましょう。これは内臓の働きを鈍らせます。体内の働きをよくして、エネルギーを活発に消費する体質にするうえで、とても邪魔になるからです。しかも、この部分は年を重ねるごとに落ちにくくなるので、今すぐ落とす努力をしましょう。
落としてはいけない肉とは、私たちの体の中のさまざまな組織です。心臓、肝臓、脾臓、腎臓、肺、胃、大腸などの内臓や、体のタンパク組織、血液の量などは絶対に減らしてはいけません。代謝機能が衰えてしまい、健康を害して美肌をつくれなくなります。
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